ロングセラーアイテムのアクアスキュータムの白肌着。
この商品を製造している工場が和歌山県にある「木村メリヤス工場」です。
物づくりに対する想いや追求し続ける姿勢、こだわりの技術力をご紹介します。

和歌山の工場で作るということ

江戸末期から縫製品製造業を主力産業として発展してきた和歌山。その長い歴史と矜恃を持って日本最高の品質をいつも目指しています。
『木村メリヤス工場』は肌着の製造にこだわり半世紀以上もこの地で開発製造している職人集団の工場です。

木村メリヤス工場は江戸時代「綿問屋」として「木村」を創業したのが始まりです。
そして戦後60年以上にわたり当時の株式会社レナウンの100%下請け工場として厳しい品質基準の中、肌着を作り続けてきました。
その頃培った「高い技術力」と「高い品質」「丁寧な物作り」を生かして今必要とされる新しいアイテムを作り始めています。

なぜ「日本製」がいいのか?

多くの海外製品が日本に入っています。
繊維製品について言えば技術も素材もとても良いものも沢山ありますが、
現場では常に『疑問意識』を持って作っています。
「こうしたらもっと着やすいのではないか」
「生地の縮率が思ったよりも大きい。もっと大きく作ってみよう。」

同じ商品をひたすらリピート生産するのではなく問題意識を持ち、よりよく改良するにはどうしたら良いかを考え物作りをしています。

工場では一切妥協を許さず着る人の気持ちになって、
「より綺麗により着やすく」「まごころを持って」をモットーに全ての物づくりに取り組んでいます。
作ったサンプルは全て試着洗濯を繰り返し「これなら大丈夫」と納得したものだけを世に出しています。

こうしたすべてのことが日本製の素晴らしさにつながると私たちは信じています。

紳士下着を親子3代にわたって作ってきました

皆さんは下着にこだわった事ありますか?
「下着なんて消耗品なんだから安くて十分」と思ったことありませんか?
でもお肌に直接身につけるものって実はとても大切です。
まず一日のストレス感が全く違うし何よりも自分を大切にしているという気持ちになれます。
親子3代に渡って作ってきた肌着がどんなものかご紹介していきます。

01. Material

こだわり1厳選された素材

まずは『素材の良さ』。
粗悪な素材は使いません。
全て高級原綿にこだわっています。
ニッター、染工所と細かく打ち合わせをして、
完成度が少しでも低かったら全て作り直します。
どんなに素晴らしい縫製でも素材が悪かったら
絶対にいいものは作れません。

02. Pattern

こだわり2 パターン(型紙)裁断のこだわり

着やすさを求めようと思ったら素材の次はです。
実はここにものすごく時間をかけます。
原型が出来たらサンプルを作って全員で着ます。
着るだけではありません。
毎日洗濯して縮みや形状変化をチェックします。
着にくかったところがあったらパターンを修正して
再びサンプルからやり直します。
全員が納得して初めて量産体制に入ります。
通常は効率やコストを考えて簡易化しがちなカッティングですが、木村メリヤスでは効率よりも「着やすさと品質」を重視します。
難しいカーブも多用し、必要ならば贅沢に生地も使って裁断していきます。

03. Sewing

こだわり3 縫製のこだわり

着心地はもちろん『製品の顔』を作るのが縫製技術です。
縫目が肌に当たらないように『フラットシーマー』を私たちは多用します。
どんなカーブでも長い距離でも私たちは『フラットシーマー』で縫いあげる技術があります。
フラットシーマーで綺麗に縫うのはとても大変です。
『縫い目を表側に見せる』ので、少しでも歪んでいたり生地がはみ出たり落ちたりするとすぐにわかってしまいます。
これが縫えるまでには長い年月の修練が必要です。
私たちの工場は『フラットシーマー』が自由自在にこなせる多くの熟練工(オペレーター)を揃えています。
その他にも様々な種類のミシンを使って一枚の下着を縫い上げていきます。
「もっと綺麗に見せるにはどうしたらいいか」いつも自問自答しながら試行錯誤を繰り返しています。

※フラットシーマーとは
4本もしくは5本の針と6本の糸を使って、2枚の生地を縫い合わせます。
その際に、平ら(Flat:フラット)な縫い目(Seam:シーム)ができるのでフラットシーマーと呼ばれています。

04. Press

こだわり4 プレスと仕上げ

『仕上げ工程』では不要な糸を切ったり不備がないか検品し、プレスをかけます。
『お化粧する』とはまさにこの工程です。
プレスはとても重要な工程です。
美しく製品を見せるために完璧なプレスで仕上げます。
30年以上の熟練工が一枚一枚丁寧にアイロンをかけていきます。
私たちは最後の『仕上げ工程』(プレスを除く)を障害やハンディのある方達に一部委託しています。
「時間がかかってもいいので一枚一枚丁寧に」と言う事をお願いしています。
とても綺麗な仕上がりでいつも感謝しています。

Movie

再生時、音声が流れます。

2022年 5月 18日